ハッピー☆ラッキー
千鶴さんとのことは誤解とはいえ、電話もメールも着信拒否にしちゃったから、まずそのことを謝らなければ。
ケイくんを見て、
「「あの…」」
わ、ハモった!
「ナ、ナナちゃん、先に……」
「ど、どうぞ、ケイくんから…」
「ううん、レディファーストでナナちゃんから」
「いえいえ、ジェンダーフリーでケイくんから」
何度譲り合ってもなかなか応じないわたしとケイくん、
これが千鶴さんだったら怒り出すんだろうなぁと思ったら、
「やっぱり僕からでいい?」
ケイくんが真剣な眼差しをわたしに向けた。
ドクンッ!
ケイくんにも聞こえそうなくらい大きく拍動を繰り返す心臓。
頬が熱い……
やっぱりわたし、
ケイくん好きだ。
.