ハッピー☆ラッキー
「ナナちゃん、ごめん!
千鶴から聞いた。アイツ誤解してナナちゃん殴ったって……本当にごめん!!!!」
勢いよく頭を下げるケイくんに、
「ううん、誤解は解けたんだし、ちょっと睡眠不足でふらっときただけだから大丈夫。
私の方こそ心配かけちゃってごめん、すぐ元気になるから」
ケイくんを安心させたくて、ベッドから立ち上がって見せたけど、
ふらっ……
まだ平衡感覚が戻っていなかったようで、大きく体が揺れた。
「危ないっ!!!!」
倒れ込む寸前のところでケイくんに受け止められ、そのまま彼の胸に顔を埋める形に……。
「ご、ごめん!!!!」
慌てて体を離そうとしたけれど、
「……ッ!」
ケイくんに引き寄せられた。
予想外の出来事に、頭の中は真っ白で、
天才セッターと言われた頭脳も、彼の前ではその効果を発揮することはできなかった。
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