ハッピー☆ラッキー



「わっ!」


バランスを崩しかけたわたしの体を亜子が支える。


身長178センチと絶賛成長中の千尋を支え続ける筋力は私にはない……。


「泣かないの!相変わらず泣き虫なんだから」


ウルッと来るのをごまかすように千尋を抱きしめ、頭を優しく撫でた。


ひとしきり泣いた千尋は、笑顔を見せると、


「それじゃ、先輩方、お先にぃ~!」


迎えに来た寛貴と手をつないで仲良く帰って行った。


もちろん、


「今度浮気したら、使い物にならないようにしてやるから覚悟しておきなさいよ!!!!」


帰り際に釘を刺しておいたことは言うまでもない。


寛貴のヤツ、顔引きつっていたし……


あいつのこと、ああ言ってもほとぼりが冷めたら再犯すること間違いなし。


今度やったら絶対にただじゃおかない!!!!


可愛い後輩泣かせやがって……


わたしが総理大臣だったら、浮気や性犯罪を犯した男は全て去勢にしてやるのに……


怒りが再燃し、グッと強く拳を握り締めた。



.
< 20 / 275 >

この作品をシェア

pagetop