ハッピー☆ラッキー
「わっ!」
バランスを崩しかけたわたしの体を亜子が支える。
身長178センチと絶賛成長中の千尋を支え続ける筋力は私にはない……。
「泣かないの!相変わらず泣き虫なんだから」
ウルッと来るのをごまかすように千尋を抱きしめ、頭を優しく撫でた。
ひとしきり泣いた千尋は、笑顔を見せると、
「それじゃ、先輩方、お先にぃ~!」
迎えに来た寛貴と手をつないで仲良く帰って行った。
もちろん、
「今度浮気したら、使い物にならないようにしてやるから覚悟しておきなさいよ!!!!」
帰り際に釘を刺しておいたことは言うまでもない。
寛貴のヤツ、顔引きつっていたし……
あいつのこと、ああ言ってもほとぼりが冷めたら再犯すること間違いなし。
今度やったら絶対にただじゃおかない!!!!
可愛い後輩泣かせやがって……
わたしが総理大臣だったら、浮気や性犯罪を犯した男は全て去勢にしてやるのに……
怒りが再燃し、グッと強く拳を握り締めた。
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