ハッピー☆ラッキー



心拍は乱れ、背中を滝のように汗が流れ落ちた。


えぇぇっ!!!?


こ、恋する、お、乙女!?


亜子さん、鋭すぎ……。


だけど、


どんな顔だよ……。


「そ、そんなわけないでしょ?じゅ、受験の悩みよ、受験の!!!志望校絞るのに悩んでいるだけだってば!!!!」


悪魔の笑みを浮かべる亜子に対抗するように強気で言ってみたけれど、彼女の笑みはますます黒くなっていくばかりで……


ダメだ……


これ以上ここにいると墓穴を掘りかねない。


そうだ!!!!


さりげなく腕時計を見て、


「あーーっ!!!!もうこんな時間!!!?早く帰ってハッピーの散歩に行かなきゃ!!!!」


私の言葉に、亜子は呆れた返った表情で、


「本当に先輩は犬バカですね」


犬バカと言うな、愛犬家と言いなさい。


そう言いたいところだが、



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