ハッピー☆ラッキー



暴力的な言葉だったけれど、わたしには


「しっかり頑張りなさいよ!」


彼女なりのエールのようにも感じられた。


コートでは明東大付属の試合が始まった。


よほどのことがない限り4回戦進出は間違いないだろう。


「福山」


久保先生がわたしを呼んだ。


「はい」


厳しい表情から言わんとしていることはわかる。


「次からはいつでも出られるようにしておけ」


気迫のこもった言葉に背筋が伸びた。


軽く頷き、


「わかりました」


短く言葉を返した。


「ナナ先輩、こっちこっち!」


千尋に呼ばれ、


「待って~!」


みんなの元に走った。



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