ハッピー☆ラッキー
試合はフルセットまで持ち込まれ、23対23と苦戦を強いられている。
亜子と千尋の疲労の色が濃くなってきた。
「次取られたら行くぞ!お前だってスパイクぐらい打てるだろ?」
久保先生が予想外の言葉を放った。
え……
わたしはセッターなのに、
何を言い出すの?
先生を見ると、
「国際レベルではお前の攻撃力では通用しないかもしれない。だが、高校バレーならまだまだ打てるセッターでいける。自信を持て!!!!」
ニヤリと笑う先生はわたしが緊張していたことくらいお見通しだったんだ。
「はいっ!」
奮い立たせるように大きな声で返事をし、頷いた。
試合は大接戦の末、亜子と千尋の踏ん張りと結衣の絶妙なトスワークで最終セット25対23で辛くも勝利し、準決勝進出を果たした。
結局この試合も出番なし。
快進撃の北相高校女子バレー部にわたしの存在は必要だったのだろうか?
って、何だかわたし、試合に出たいみたいじゃないの?
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