ハッピー☆ラッキー



第1セットは大接戦の末、北相が先取。


でも、ここで気を抜いてはいけない。


明東大付属の力はこんなものではない。


コートチェンジの際、秋元先輩と目が合った。


いつに増して鋭い視線。


焦りと苛立ちが伝わってくる。


「お遊びはこれでおしまいよ。次のセットで今度こそあなたをコートに引きずり出してあげる。

2年前の決着をここでつけましょう。這いつくばって苦しむといいわ」


彼女はすれ違い際に言うと、足早に離れていった。


2年前の決着……


そう、あの事件はまだ終わっていない。


先輩も


チームメイトだった明東大付属の同級生も


そして、


わたし自身も


這いつくばって苦しませてあげる、って?


冗談じゃない。


この試合に個人的な感情を持ち込むつもりはない。


負けたくないだけ。


勝ちたいという気持ちだけ。


ひとりで頑張るのではなくて、みんなで勝利を勝ち取る。


最高のチームと最高のメンバーで



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