ハッピー☆ラッキー

わたしの言葉に先輩は、


「どこに行っても治せないって言われたのよ。無理に決まってるわ」


呟くように言うと、寂しそうに笑った。


「もしもダメだったら、わたしが責任持って治します！！！！

これでもわたし、福山歯科医院の跡取りですから。

歯学部に入ったら一生懸命勉強して歯科医になります。

だからそれまで、待っていてもらえますか？」


わたしの必死の訴えに、


「もちろん、タダよね？」


先輩はそう言うと、意地悪な笑みを浮かべた。


「はいっ、責任持って治しますから！！！！」


即答すると、先輩はプッと噴き出して、


「欲がないわね。そんなことしていたら福山歯科医院はあなたの代で潰れるわよ。

そうね、ダメ元で行かせてもらうわ、真夏にマスクはさすがに暑くて熱中症で倒れそうよ」


先輩の言葉に、かつてのチームメイトからクスクスと笑い声が洩れた。



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