ハッピー☆ラッキー
閉会式が始まるまでの間、お手洗いを口実にチームから離れた。
別に行きたかったわけではない。
少しの間でいい、
ひとりになりたかった。
試合会場の外で人気のない場所を見つけ、ゆっくり腰を下ろした。
真っ青な空を見上げ、入道雲のまぶしさに視線を逸らすと、コンクリートにポツポツと水滴が落ちた。
こんなにいい天気なのに、
雨なんて降っていないのに……
どうして?
水滴はコンクリートの熱で落ちては乾き、落ちては乾きを繰り返す。
バサッ!
スポーツタオルが乱暴に頭に被せられ、視界が遮断された。
「本当は悔しいんだろ?誰も見てないから思う存分泣けばいい」
ケイの声が聞こえた。
ケイはわたしの隣に腰を下ろすと、タオル越しに頭を撫でた。
その手の温かさに、抑えていたものが一気に溢れ出した。
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