ハッピー☆ラッキー



ハッピーはおとなしい子だけど、近づき過ぎて万が一セレブなワンちゃんにケガでもさせたら困る。


だから距離を置いて見ぬふりをして通り過ぎようとすると……


「こらっ!ラッキーダメじゃないか!!!!すみません、こいつ、臆病なもんで…」


背後でラッキーを叱りながら、飼い主の男の子がわたしに詫びる声が聞こえた。


「いえ、大丈夫ですよ~!ねっ、ハッピ…ッ!!!!」


えぇぇっ!!!!


振り向きざまに見た男の子に


ドクンッ!!!!


心臓が過剰に反応した。


周りに聞こえてしまうのではないかというくらい大きな音を立てて、痛いくらいに激しく動き出した。


び、びっくりした!!!!


だって、ラッキーの飼い主の男の子が、本屋さんで会った西城大付属1年の長身で超イケメンの彼だったから。



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