ハッピー☆ラッキー



どうせわたしのことなんて覚えているわけがない。


1秒でも早くここから離れたい。


頭の中でシミュレーションを開始。


あくまでも自然にするにはニッコリと笑みを浮かべて、軽く会釈する。


そして、小型犬のハッピーを抱き抱え、ダッシュで家に帰る。


よし!完璧だ!!!!


ミッション開始!!!!


実行に移すべくハッピーに手を伸ばすと……


「あれ?先週本屋さんで会いませんでした?」


へっ!?


予想外の彼の言葉に、


「は、はいぃぃぃ!!!?そ、そうでしたねぇぇぇ!!!?」


見事に声が裏返った……。


彼はゆっくりとわたしに近づいてくると、


「良かった、覚えていてくれて……」


あの時と同じように爽やかな笑みを浮かべた。


うっ……



かっこよすぎる。


胸の鼓動はますます高まるばかりで……



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