ハッピー☆ラッキー



発信元はお母さんから。


「もしもーし!」


機嫌良く電話に出ると、


『どこで油売ってるの!!!?もうすぐごはんだから早く帰って来なさい!!!!』


電話の向こうからご機嫌ななめのお母さんの声が聞こえてきた。


腕時計を見ると、


「うわっ!もうこんな時間!!!?ハッピー帰るよ!!!」


すっかり幸坂さんに懐いたハッピーを呼んだが、彼にくっついたままこちらに来る様子がない。


幸坂さんは苦笑して、


「ハッピーおうちに帰る時間だよ」


そう言うと、私にリードを渡した。


「実は引っ越してきたばかりで、この辺に知っている人がいなかったから……良かったよ、同い年の子がいて」


幸田さんの反則に近い笑顔にクラクラしながらも、


同い年、じゃない。


2コ上なんだよわたし。


「あ、あの、わたし……」


今度こそ言おう!


そう意気込んでみた。



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