ハッピー☆ラッキー
がっ!!!!
「ワンワンワンッ!!!!」
お屋敷の前でラッキーが不機嫌な声で幸坂さんを呼んだ。
「あ、ラッキー、ごめんごめん!散歩行こうな。それじゃ、また!!!!」
幸坂さんは笑顔で手を上げ、ラッキーの元に走って行ってしまった。
あぁ……
思わず天を仰いだ。
幸坂さんはわたしのことを同い年だと勘違いしたまま行ってしまった。
間違いは間違いを呼んでしまったようだ。
罰が当たってもいいからもっと望めば良かった。
そうすれば、
下の名前とか
下の名前とか
下の名前とか……。
教えてもらえたのかもしれなかったのに……
「どんだけ前のめりなんだよ、わたし」
あれだけのイケメンなんだから、いくら近所でも期待しちゃダメだ。
今度会った時には、絶対伝えよう。
2コ上だということを。
そう心に誓い、
「ハッピー、行くよ!!!!」
ダッシュで家へと向かった。
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