ハッピー☆ラッキー

「そういうキミも女でしょ？」


幸坂さんが苦笑した。


「ハハハ……そういえばそうでした」


おどけたように言ってみたけれど、気まずい空気は払拭できず、沈黙するばかりで。


堪えきれず、足元に転がっていたサンプル用のバレーボールを手に取り、軽くトスを上げた。


パシッ！


近くに重ねられた買い物かごへと吸い込まれていった。


打ち込んだのは幸坂さん。


すごいコントロール。


あれは偶然じゃない。


完全に狙って打ったものだ。


「速攻、決まったね。いいトス上げるじゃん！キミもバレー部なの？」


目を輝かせる幸坂さん。


キミもってことは、幸坂さんはバレー部。


皮肉な運命ね。



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