ハッピー☆ラッキー
わかってない



「行ってきまーす!」


最寄り駅まで徒歩10分。


あれから1ヶ月、わたしの足取りは重い。


もうすぐ7月、夏はすぐそこだというのに。


「18か……」


そして、今年も私の誕生日がやってくる。


高校生活もあとわずか。


色々あったけれど、全てはわたしの人生において必要だから起こったこと。


偶然ではなく必然。


そう自分に言い聞かせ、納得させた。


この年齢ででかなりハードな人生歩んできたけれど、受験地獄を乗り越えたら楽しい学生生活
が、キャンパスライフがわたしを待っている。


あれ以来、散歩に行っても幸坂さんと会うことはなくなった。


全国大会予選も近いし、部活で忙しいのだろう。


あんなきついことを言ってしまったのだから避けられているのか?


ううん、そうじゃない。


もうわたしのことなんて忘れてしまった。


きっとそう。



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