ハッピー☆ラッキー



あ、お礼、言わなきゃ。


「今日は本当にありがとうございました。


幸坂さんがいなかったらわたし……「ごめん!すぐに助けてあげたかったんだけど、証拠をおさえておかないと現行犯逮捕できないと思って……長い時間嫌な思いをさせてしまって本当にごめん!!!!」


お礼の言葉を遮った幸坂さんは、わたしに詫びると深々と頭を下げた。


「幸坂さんが謝ることなんてない。悪いのはあの痴漢のおっさんなんだから。

法律に加えて欲しいくらいだわ、浮気とか性犯罪を犯した男は去勢の刑に処すって……

でも、その前に朝の通学時間帯に女性専用車両作って欲しいかも。あの路線けっこう痴漢多いから」


わたしの言葉に、幸坂さんは顔を引きつらせて、


「去勢って、キミ……かなり過激なんだね」


腰が引けているように感じるのは、私の気のせいなのか?


そうじゃなくて、


あぁーーーっ!!!!


や、やだっ!


わたし、幸坂さんの前で去勢だなんて、はしたないことを……。



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