ハッピー☆ラッキー



怒らないところはやっぱりセレブなお坊ちゃま。


でも、嫌われたことは揺るぎない事実。


明日からは顔を合わせても無視されること決定!


あぁ、もう!!!!


わたしのバカーーー!!!!


「古代中国だったらまだしも、現代の日本国家で刑法に去勢が加わることはゼロに等しい。むしろ、女性専用車両実現の方が現実的だ」


ひとりぶつぶつと呟く幸坂さん。


そんなことは、百も承知!


「大丈夫大丈夫!単にあのおじさんが物好きなだけで、電車に乗る時間と車両を変えてしまえば……今日だって乗り遅れなければ問題がなかったわけで……」


本当に、わたしを狙うなんて物好きとしか言いようがない。


幸坂さんはわたしにその整った顔を近づけ、


「キミは自分のことが全くわかっていないんだね」


呆れた口調で言った。



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