ハッピー☆ラッキー



「それじゃ、ナンパされないように気をつけてね」


ケイくんはからかうように言う。


「ナンパなんて誰もしませんてば!!!!」


初めはむきになって言い返していたけれど、


「大丈夫、わたしの顔見たらみんな逃げて行きますから」


なんて冗談も言えるようになった。


いや、寛貴だけは逃げる……。


やましいことがなければ逃げる必要なんてないんだから、怪しいものだ。


あれから浮気はしていないみたいだけど、あいつのことだ、そろそろまた浮気の虫が騒ぎ始める頃。


一度ガツンと言っておいた方がいいかもしれない。


「それじゃ、また明日」


ケイくんが手を上げた。


「うん、明日ね」


私も軽く手を上げ、学校に向かおうとすると、


「ナーナせんぱーーい!!!!」


「うゎぁっ!!!!」


突然背後から聞き覚えのある声がした。



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