ハッピー☆ラッキー



ニヤニヤ笑う寛貴に感じるのは、


不快、


嫌い。


それをグッと抑えて、


「あ、ありがと……」


最低限のお礼を言い、寛貴の手の中にある携帯を受け取ろうとすると、


「ちょ、ちょっと何するのよ!!!!」


寛貴の手がわたしの手を包み込んだ。


ケイくんの手だったら触れただけでも、ドキドキと心地良い胸の高鳴りを覚えるのに、寛貴の


それは不快感しか感じられない。


その手でたくさんの女の子に触れたんでしょ?


何度も千尋を泣かせたでしょ?


苛立ちが募っていく……


「離して!悪い冗談はやめてくれない?千尋に言うわよ!!!!」


こんなとこ千尋に見られたら血の雨が降る。


せっかく関係が修復したというのに、


アンタのせいでわたし達の関係をぶち壊すようなことしないでよ!!!!


寛貴に拒絶の意志をぶつけるも寛貴は全くお構いなしで、


「いいよ、俺が本当に好きなのは、福山……お前だけだから」


真剣な眼差しをわたしに向けた。



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