王子様と堕姫様

突然




私は歩き出す。


夜の庭の中を。


いっそ迷子になってしまえばいい。


いっそこのまま…



そういう訳には行かないことぐらい
十分わかっている。



「そろそろ戻らないとな…」



室内に向けて足を踏み出したその時だった。



「早く!!」


急に誰かに腕を掴まれた。


そのまま走り出す。


「ちょっと待って!!」


私の声は届かず、
気が付くとそこはエリカもルイもマリア様もいる、
パーティ会場だった。
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