王子様と堕姫様
「ここにいる、
リア使用人は本日より私の妃とする。」
え…?
「リア?!どういうこと?!」
驚きの声が次々と湧き上がる。
私ですら驚いているのだから、
他の人が驚かないわけはない。
後ずさりする私の腕を、
王子様は再び握る。
「驚かせてすまない。
詳しくは後で話すから今は合わせてくれ。」
小さい声でそういうと、
ルイを呼んで私はルイの後をついていく。
会場を出て王子の部屋に向かうようだ。
王子の部屋には過去一度も入ったことがない。
使用人で入れる人はほんの一握り。
「なあ、リア。
お前は王子のことどう思う?」
ルイが口を開く。
どう思うって…
憎い相手、つい最近までずっと命を狙ってた人。
これ以上もこれ以下もない。