王子様と堕姫様
こんなことを言ったら、
ルイは何て思うだろうか。
幻滅するだろうか。
嫌われるだろうか。
されてもおかしくない。
この国には私の味方はいないのだから。
「王子はな、
ずっとお前の事見てたぞ。
笑ってる顔も怒ってる顔も、
一人でこっそり泣いている顔も。」
私の幸せを壊しておいて、
何を言っているのだろうか。
「それって、
あれだよね、ストーカ…」
自然と笑みが零れてくる。
王子の部屋の前に立ち、
私だけが部屋の中に移動させられる。
「もう少ししたら、
王子が部屋に戻ってくる。
そしたら聞きたいことを聞けばいい。」
そして最後に、
”少しは信頼してやってくれ”
そう言ってルイは部屋の戸を閉めた。