王子様と堕姫様
未知の思い
「遅くなった…
リアのやつ…多分物凄く怒ってるだろうな。
何から話せばいいかな…」
会場に取り残された王子は、
一人周りの貴族からの質問攻めを受けていた。
リアがあの国だとは一言も言わずに、
王子は堂々とした態度でこう言った。
『僕の相手はリアしかいない。
リアの相手も僕しかいない。
他にいさせやしない。』
そんな様子を笑いながら眺めているルイとエリカ。
遠くから冷たい表情で王子を見つめるマリア。
『シオンと結婚するのは私…』
そうマリアが呟いたのは
誰の耳にも届いてはいなかった。
自分の部屋の前で一呼吸置き、
ノックをする。