王子様と堕姫様


「リーア?
どこに行ってたの?」


聞きたいことがたくさんあるような顔。


「王子の部屋。
待って?私もまだあの王子から
色々聞き出すことがあるの。」



エリカが納得のいかないような顔で私を見つめる。


エリカを部屋に入れて、
私はとりあえずシャワーを浴びる。


昨日のことを私自身も思い返してみる。

ルイは王子を信じてと言ったが、
具体的にどう信じればよいのか分からない。


私の意見なしに婚約を決めてしまうような人、
私の家族を殺した人。



少なくとも私の事が好きだ、
という気持ちはどこにも見えない。


ルイのあのストーカー発言も、
今になって考えてみれば
ただ見張られているような気がしていい気分じゃない。


考えれば考えるほど分からなくなる。


考えて分からないのなら、
やはり聞き出すしかないのだろうか。
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