王子様と堕姫様



「あの子は僕を殺すためにここに来た。」



王子はつい最近の話を2人に話す。


ルイはもう既に知っているような表情を浮かべる。


エリカは最後まで聞くとすぐに部屋を飛び出していった。


「ルイ、エリカにはまだ早かったかな?」



「んいや、今がちょうどよかったと思うよ。」


雨がさらに強まる。

雨の音は室内にも響いて、
2人を余計に焦らせる。


王子は口を開く、

「とりあえず、じいやの店にでも行ってくるよ。」


「おう、俺は引き続き探してみるわ。」


王子は雨の中を歩く。

傘の一つもささずに歩く。

『雨…冷たいな』


そう、呟きながら。
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