王子様と堕姫様



ただ死ぬだけではつまらない。



それならば…殺してやる。



そうしてこの城の使用人として
日々その瞬間を狙っている毎日。





そう、毎日私はシオン様と顔を合わせている。




そのたびに怒りが込み上がって
今にも文句を言いそうになる。



しかしそれと同時に、
不思議な気持ちも湧き上がっていた。



”本当にこの人が殺したのか”



びっくりするほど、
気さくな人に見えた。



誰が挨拶しても
必ず何かの形で返してくれた。

もちろん、私にも。
< 4 / 41 >

この作品をシェア

pagetop