王子様と堕姫様
王子の正体
朝食の後片付けを済ませ、
庭の掃除のために足を運ばせる。
この広いお屋敷の中を一人で歩くのは
いくら明るい時間帯だからって
結構怖いものである。
「リアさん…?
使用人のリアさんだよね?
これから庭へ行くの?
なら僕も一緒していいかな。」
振り向くとそこには、
”シオン様”がいた。
「質問が多いようですね。
どうぞご自由に。
私は掃除をするだけです。」
シオン様だからこの態度なのではない。
旦那様以外には基本このようなものだ。
さすがに旦那様はね。
首にされちゃ困るし。
ここの国の人間は皆、
私の敵と言っていい
それならば何故媚びを売る必要があろうか。