鈍恋diary
部屋に入ってからは、ホントに合コンみたいなノリになった。
自己紹介して、席代わったりして…
あたしに声掛けて来た博信君は、ムードメーカーなのかずっと喋ってる。
一番背が高い尚之君は、夏帆が気に入ったのが見ててわかるくらい夏帆にばっか話し掛けてて…
一番背が低い貴史君は…歌う時と話す時のメリハリがついててなんかスゴイと思う。
「史華ちゃんもなんか歌ってよ」
「あ…うん。そう思うけど、みんな上手だしなんか気が引けちゃう」
博信君が何度も声掛けてくれてるけど、なんか歌う気分になれない。
カラオケ来てるのに、メインはカラオケじゃなくなってるじゃん…
ローテしてるから歌うだけで、歌うより話す方ばっか…こんなの楽しくない。
そんな本音言える訳なくて、あたしは歌う事も話す事もできないまま…