鈍恋diary
夏帆と穂花の様子を見ながら、あたしはケーキの残りを食べた。
「一緒にいるけど…代わろっか?」
「史ちゃんいるよ…どうかした?」
二人揃ってあたしを指差してくるけど…
両方一度にあたしが話せるわけないし…
「博信君と尚之君一緒にいるの?だったら、用件だけ聞いてよ…」
そう頼んで、今度は紅茶を口にする。
あの二人が揃ってあたしに用とか何?
多分、貴史君絡みなんだろうとは思っても、直接聞く気にはなれなかった。
電話を切ったのは、穂花が先だった。
「史ちゃんに来てって…なんか貴史君とコウ君が言い争いしちゃってるらしくて…」
「はぁ?!なんでその二人がケンカしてんの?」
なんで航希まで出てくるの?!
無視しようにもできないじゃん!
「それは…とにかく行けばわかると思うから、行ってあげて!言い争いだけみたいだけど、ホントにケンカしちゃうとヤバいみたいだから」
「あー、あたしが行っても航希止めるしかできないけど…ほっとくわけにもいかないわよね」
空手強いとか言ってたし、航希もそれわかってるはずなのに、何やってんだか…