鈍恋diary
「で、どこ行けばいいの?」
「駅の近くって…どこだろ?」
「穂花〜、肝心なとこ聞いといてよ!」
ホント抜けてるんだから…
「この間史ちゃんと貴史君が行ってたコンビニ…こっちからだと、そのちょっと手前くらいって」
「ありがと、夏帆!とりあえず、あたし行くから、夏帆と穂花は食べてて…お金置いとくね」
財布からお札を出して、テーブルに置いて…
あたしは鞄を掴んで駆け出した。
鞄の中を探って携帯を見つけて…
出るわけないだろうなって思いながらも、とりあえず航希に電話してみる。
貴史君がケンカ吹っかけるとは思えないから、多分、悪いのは航希の方だろう。
「もう、何考えてんの…あのバカ!」
電話にもやっぱり出ないし、イライラする。
夏帆が言ってた場所まではそんなに距離はない。
それに、その場所を特定する必要もなかった。
奥高生の通学路だから、人集りができてて嫌でもわかる。