鈍恋diary

「あのさ…見えてた？」

「当たり前だろ…ホント考えて動けよ」

「俺は見てないから」

呆れてる貴史君と、脇腹押さえて涙目になってる航希。

止めるの苦労するかと思ったけど、こんなんでおとなしくなるならまぁいいか…

「で、あんたたちはなんでこんなに大勢の人の注目浴びてたわけ？」

「あ〜、それ言わないとダメ？」

「…じゃ、どっちが先に仕掛けたの？」

航希が言いたがらないってことは、なんとなく…聞かない方がいい気がした。

どうせ航希の勘違いの延長で、貴史君に文句でも言ったんだと思うけど…

「ごめん…俺が悪いから」

「じゃ、謝んなよ。あたしに謝っても仕方ないでしょ？」

「…すみませんでした」

頭下げておとなしく謝るとか、珍しい。

普段なら文句言わなきゃ謝らないのに…

まぁ、それも昔のことだし、航希もちょっとは成長したってことなのかな？

「ごめんね、航希が迷惑掛けて…」

「いや、悪いの俺だから…そいつが怒るの当然だし…ごめん」

「いや…あたしじゃなく、航希に言ってやってくれる？…ってか、航希怒らせるようなことって、何言ったの？」

航希はそこまでキレやすいヤツでもないはずなんだけど…