鈍恋diary
「もういいから…史華、帰ろ」
「え?ちょっと…航希!」
「俺謝ったし、その人も謝ってくれたからいいよ…史華には関係ないんだし」
そりゃ関係ないかもしれないけど…
止めるのに呼ばれたのに、原因わからないままとかなんか納得いかないんですけど?
「隆平君…ケンカの原因ってなんだったの?」
「あ…大したことじゃないです、多分。俺もよくわかんないくらいだから」
一緒にいたのにわからないとか…ないよね?
ってことは、あたしのせい…なのかな?
じゃなきゃ、博信君や尚之君もあたしを呼んだりしないだろうし…
「もういいから、来いよ!」
航希はあたしの腕を掴んで、歩き出した。
「ちょっと、航希?」
そう言われても、貴史君たちのことも気になってしまう。
「史華さん、いいから行こう」
隆平君まであたしの腕を掴んで、この場から離れようとする。
何言われたのかとか、正直どうでもいい。
でも、あたしのせいでまた嫌な思いをさせたことが申し訳なくて…
「貴史君!…ホントごめんね!」
今ちゃんと謝らなきゃ、謝れなくなりそうで、そう叫んでた。