鈍恋diary
「史華も何こんなヤツに腕掴まれてんだよ!」
「お前、開き直ってからさらに面倒になってる…独占欲激しすぎて史華さんに嫌われるぞ?」
航希はメチャクチャなこと言うし、隆平君も変なこと言うし…
余計にどうしていいかわかんないよ。
「嫌なもんは嫌なんだから仕方ないだろ?」
「あー、はいはい」
聞いてるだけで恥ずかしい…
でも、そんなに想ってもらえるのって、幸せなことなのかなって…ちょっと思った。
「史華…怒ってる?」
「はぁ?!なんで??」
「いつもなら、勝手なこと言うなとかって怒るから」
それは、からかってるだけだと思ってたからで…
「ホントにそう思ってくれてるなら否定できないでしょ?…恥ずかしいから言わないでほしいとは思うけど」
他人の気持ちを無碍にして、傷付けるのはイヤだ。
「史華のそういうとこ好き」
ニコッて嬉しそうに言われても、どうしていいかわからない。
航希のことは嫌いじゃない。
腹立つヤツだけど、可愛いトコもあるし…
あんまり気を遣わなくていいし、どっちかと言えば好きかもしれない。
だけど、あたしの好きと航希の好きは違いすぎて、胸が苦しくなった。