鈍恋diary
11/13 その2
『あ、史ちゃん?今大丈夫??』
「あ…うん、どうしたの電話なんて珍しいね」
帰宅して、夕飯も食べ終わって部屋でゴロゴロしてたら、携帯が鳴った。
珍しく着信通知で、慌てて出るとちょっと困ったような夏帆の声。
『あ…いや、貴史君から連絡あったかなぁって気になって』
「ないよ?あるわけないから…連絡先なんて教えてない」
『うん、史ちゃんは教えてないけど…』
夏帆か穂花が教えたってこと?
「知らない番号から掛かって来てもないし、あたしに用はないと思うけど?」
『ごめんね、勝手に教えて…でも、なんか貴史君怖かったから、つい』
ついで個人情報漏らされても困るけど、夏帆も穂花も凄まれたら断れるタイプじゃないから仕方ないのかな?
「航希謝ったのにまだ怒ってんの?」
それに、あたしも謝ったはずなんだけど…
『違うよ、そうじゃなくて…とにかく知らない番号でも貴史君だと思うから、電話出てあげてね?』
「…わかった」
『ホントにごめんね?…じゃあ、貴史君から連絡あると悪いから…月曜日学校でね』
「気にしなくていいよ…じゃあね」
夏帆が悪いわけでもなく、不可抗力なんだろうし…
なんて頭では理解しても、溜め息は止められなかった。