鈍恋diary
電車が来て、ハルと一緒に乗り込む。
「あれ…ゆっこちゃんとかとじゃねぇの?」
「違うわよ…」
ど田舎の昼間なんて、電車は1両。
車内を見渡したハルは、あたしの答えにニヤリと笑う。
「じゃ、高校のツレ?日向って女子高だよな…可愛い子?」
「あんたには死んでも紹介しないから!」
「相変わらずキツいな…フミ。髪伸びて見た目女っぽくなったのにもったいねぇぞ?」
「余計なお世話!」
ハルは見た目も中身も変わってない。
「黙ってればモテるだろうから、もったいねぇよ」
「そんなわけないし…モテなくて結構です!」
「なんだよ…まだ男嫌い治ってねぇの?弟君は平気なクセに。
あ、もしかして弟君好きとか?」
「航希は弟じゃないってば…それに、そんなんじゃないから」
男嫌いとまではいかないし、単に苦手なだけだけど…
いい加減航希を弟って言うのはやめてほしい。
「弟って言ったら航希ムキになっておもしろいし、フミも航希宥めるのに必死だし…」
「ハルって最低!あんま航希からかわないでよね?」
「アイツの反応可愛いからつい…な」
マジ最低だ、コイツ…
航希の気持ちも考えろよ!
って、あたしもハルのこと言えないけど…