鈍恋diary
「これあんま好きじゃねぇの?…じゃ、俺食うかな」
「あ、わかった…仕方ないから付き合ってやるわよ!」
「フミ、ホントチョコに弱いよな…ほら、やるから付き合えよ?」
…返す言葉もない。
ホント、なんでチョコ目の前にすると単純なんだろ…
谷川駅に着いて、あたしはハルと一緒に改札を出る。
「…で、何するつもり?」
「いや、フミのこと彼女って紹介したらおもしろいかと思って」
「バカでしょ?何がおもしろいのか意味わかんない!絶対バカだよ、ハル」
チョコに釣られるんじゃなかった…
「友達騙すとか最低だって自覚してんの?」
「ちゃんと後でホントのこと言うって…」
「当たり前でしょ?ホントバカ」
「怒んなよ…チョコ食ってていいから、黙って付き合って」
階段を下りながら、あたしはチョコを口にした。
なんか口にしてなきゃ、怒鳴り散らしちゃいそうだったから…
「絶対喋るなよ?」
「はいはい…ってか、何してんの?」
「彼女っぽく思わせる為」
なんであたしがハルに肩抱かれて歩かなきゃいけないのか…
ハルがホントのこと言い終わったら、股間に蹴り入れてやりたい。