鈍恋diary
「お待たせ!悪い…遅くなった」
「ハル…お前ナンパして遅れたのかよ!」
バス停の近くにいた男の子たちに声を掛けるハルの隣りで、あたしは罪悪感でいっぱい。
「俺の彼女!」
「はぁ?!…ないだろ、それ。お前、彼女いたら絶対写メとか自慢してるって」
ハルと違って、友達はバカじゃなかったらしい。
「そうそう、それにハルにこんな可愛い子無理!」
「なんでだよ!…お前ら失礼すぎだよ」
自分も人のこと言えないと思うけど…
「ってか、その子タカの彼女みたいだから…手離した方がいいぞ?」
「彼女じゃねぇよ!…けど、史華と約束してるから、悪いけど借りてく」
出てきた名前に思わず顔を上げたら、貴史君に手を掴まれた。
「あれ…貴史君?なんでいるの、約束してたの1時じゃなかった?」
「そっちからの電車調べたんだよ!だから、お前なら遅れるより早めに来そうだと思って来たんだ…悪いか?」
「いや、悪いとか言ってないけど…ってか、なんで手握ってんの?意味わかんない!」
しかも、なんか怒ってる?
睨まれてるんだけど…