鈍恋diary

「お待たせ!悪い…遅くなった」

「ハル…お前ナンパして遅れたのかよ!」

バス停の近くにいた男の子たちに声を掛けるハルの隣りで、あたしは罪悪感でいっぱい。

「俺の彼女!」

「はぁ?!…ないだろ、それ。お前、彼女いたら絶対写メとか自慢してるって」

ハルと違って、友達はバカじゃなかったらしい。

「そうそう、それにハルにこんな可愛い子無理!」

「なんでだよ!…お前ら失礼すぎだよ」

自分も人のこと言えないと思うけど…

「ってか、その子タカの彼女みたいだから…手離した方がいいぞ?」

「彼女じゃねぇよ!…けど、史華と約束してるから、悪いけど借りてく」

出てきた名前に思わず顔を上げたら、貴史君に手を掴まれた。

「あれ…貴史君?なんでいるの、約束してたの1時じゃなかった?」

「そっちからの電車調べたんだよ!だから、お前なら遅れるより早めに来そうだと思って来たんだ…悪いか?」

「いや、悪いとか言ってないけど…ってか、なんで手握ってんの?意味わかんない!」

しかも、なんか怒ってる?

睨まれてるんだけど…
< 123 / 197 >

この作品をシェア

pagetop