鈍恋diary

「お前腹減ってる？」

「お昼は食べて来たから大丈夫…貴史君お腹空いてるなら付き合うけど？」

「俺も大丈夫…つか、呼び方！」

あ…やっぱそれも気にしてたんだ。

「努力します…」

急に言われても呼べないし…

「なんだよ、それ」

あたしにしては思ったこと言っただけだったけど、貴史君は笑い出して…

声出して笑ってるの、初めて見た。

あの嫌がらせな作り笑いしか見たことなかったから、ちょっとビックリ…

笑われてるのあたしなんだけど、可愛いすぎて許しちゃうよ、コレは。

「で、なんで史華はアイツの彼女にされてたんだ？」

「えっと…友達からかうのに、チョコで買収されたから？」

「買収って…お前どんだけチョコ好きなんだよ」

主食がチョコでもいいくらい？

常にチョコ携帯してるくらい？

なんて言えばいいんだろ…

「好きな食べ物、チョコなの…チョコないと落ち着かない」

「だからあん時チョコ食ってたのか？」

「あの時って？」

「カラオケの時…」

呆れるか、笑い出すと思ったのに…

人間観察なんて悪趣味してるだけあって、ホント勘は鋭い。