鈍恋diary
「食べるなら自分で食べる!なんで食べさせてもらわなきゃいけないの?!」
「いいから、早く口開けろよ…溶ける」
何…なんなのホント。
道歩きながらチョコ食べさせてもらうとか、どんな罰ゲームよ!
「ほら、史華…口開けろって」
チョコを差し出されたら、甘い香りがして…
その誘惑に負けて、口を開いてた。
貴史君はあたしの口にチョコを入れてきて…
なんかすごいドキドキする。
「ほら、食えよ」
チョコを咥えようとしたら、貴史君が人差し指でチョコを押し込んできて…
あたしは貴史君の指まで咥えてた。
チョコに噛み付いてたら、貴史君の指噛んじゃってたから、噛まなくてよかったけど…
この状況は恥ずかしい。
「…んっ」
ちょっと…って抗議しようとしたら、貴史君の指が舌先に当たるし、声にならないし…
「あ…悪い、指まで突っ込む気はなかった」
「うん…あたしもなんかごめん」
指咥えて、しかも舐めちゃうとか…ホント何してんの、あたし。
「あ、手貸して」
鞄からティッシュを取り出して、貴史君の手首を掴む。
「ちょっとコレ持ってて」
親指にチョコが付いてて、ティッシュを貴史君に押し付けてウェットティッシュを探り出す。