鈍恋diary
親指のチョコを拭き取って、あたしが舐めちゃった人差し指も拭いて…
「ソレ貸して」
貴史君の手からティッシュを奪って、拭き直す。
「この辺水道ないし…とりあえずコレでガマンしといて」
「…ありがと」
チョコの甘さより、貴史君の指の感触が強く残ってて恥ずかしい。
「いや、私こそごめん。それよりどこ行くの?」
「 ちょっと運動…ボーリングでもする?バッティングセンターのがいいか?」
「バッティングセンターとか行ったことないけど?」
普通、女の子はそういうとこ行かないと思うんだけど…
「さすがに史華も行かねぇか…じゃ、ボーリングでいいか?」
「いいけど…あたしをなんだと思ってんの?」
「悪い意味じゃねぇよ…お前動くの好きそうだから、男友達と行ったら混ざってそうな気がしただけ」
確かに…そういうとこ行ったら、混ざってると思う。
「男の子と出掛けても、他の女の子いるし誰もそんなとこ行こうとしないわよ」
「え?」
「何?あんた女の子そういうとこに連れて行ってんの?
普通はそういうの嫌がると思うよ?」
穂花や夏帆なら、絶対ないって言う気がする。
あたしは、確かに体動かすの好きだし…バッティングセンターとか連れて行かれたら行かれたで、ストレス発散できそうかなとか思うけど。