鈍恋diary
「拗ねるなって…」
苦笑いを浮かべて龍樹さんを宥めてた祐太さんは、あたしと目が合うとニコッと笑う。
「祐太は彼女いるからな」
「ふ〜ん、そうなんだ」
「何…お前ああいうのタイプなんじゃねぇの?」
「優しそうだけど、周り気遣って合わせてそうな感じする…そういう相手だとあたしも同じようにしかできないから、タイプではないよ」
お互い上辺だけになりそう。
本音晒すことはなくて、相手に合わせて…
そういう人って、本音晒すと面倒に思ったり、勝手なイメージ作り上げて思ってたのと違うって思う人が多いから、あたしは苦手。
世間的に見て世渡り上手なんだろうけど…自己保身しか考えてない人なんじゃないかなってイメージが強い。
「なんか意外…お前最初の印象で好き嫌い別れるのかと思ってた」
「それはあるかも…裏表ありそうな人とか、他人傷付けるのなんとも思わない人は嫌いだから。意図的じゃなくても、そういう可能性がある人も親しくなりたくない」
「祐太のはあんま裏表ないけどな…お前が言うのも間違ってはないと思う」
自己保身しか考えてない人って、自分が傷付くのを避けて、無意識に他人傷付ける。
自分の傷ばかり気にして、自分が傷付けた相手のことなんて何も理解しようとしない。