鈍恋diary
「史華、次俺…」
「え?まだ2投目あるよ?」
戻って来たボールに手を伸ばしたら、貴史君にそう言われて、あたしは首を傾げた。
貴史君は上を無言で指差して…
あたしはその先に視線を向ける。
スコアが表示されてる画面は、なんか変。
「龍樹に嵌められた…」
「ごめん、あたし知らなくて…よりによってガター出しちゃった」
「気にしなくていいから」
ポンとあたしの頭を叩いて、貴史君はボールを手にする。
「史華ちゃん女の子だし、ハンデはつけるから」
「先に言ってくださいよ…ってか、このままだと、あたし貴史君に怒られそうです」
「気にしなくていいよ。タカがヤル気出したらハンデいらないくらいかもだから」
交互投球のダブルスって…
先に貴史君投げてもらった方がよかった気がする。
あたしがガター取り続けたらスコア伸びないよ…
龍樹さんと祐太さんはスペア取ってるし、仮に貴史君がスペア取っても次あたしがミスしたらスペア取った意味ないし…