鈍恋diary
龍樹さんの言い方じゃ、貴史君も上手みたいだけど気になって…
あたしは貴史君が投げるのをジッと見つめてた。
貴史君のことジッと見るのなんてコレが初めて…
姿勢がよくて、フォームも綺麗で…
思わず見惚れてた。
「気にするなっつっただろ?」
「あ…うん。貴史君ってすごいね、動きが滑らか…思わず見惚れてたよ」
「バカ!見てなくていいよ」
そう言われても、あたしがミスした後だから見ちゃったし…
あんな綺麗なフォーム見せられたら、気になって見ちゃうよ。
「タカ〜、ハンデなしでいいよな?」
「ふざけんな、史華女だぞ?しかも、コイツ絶対プレッシャーに弱いから、ハンデないと無理だって」
「史華ちゃん、アベレージどんくらい?」
「えっと…110くらいです。いつも1ゲーム目はギリギリ100って感じだから」
あんまりボーリングしないから、感覚取り戻すまで時間掛かるし…
もっと低めに言った方がよかったのかもしれないけど、ウソ吐くのはね。