鈍恋diary

「誰があんたなんかと一緒に歌うかっての…邪魔せず聞いてろ！」

悔し紛れに出た言葉に引くに引けなくなって…

あたしは、まんまとヤツの策略に嵌められた。

「史華様が美声を聴かせてくれるって！」

「そんなこと言ってないし！」

「つか、始まってっから、歌え」

とか言いながら、貴史君は歌い出してて…あたしも歌い出す。

一緒に歌って…フレーズ毎に交互に歌って…

気付いたら曲が終わってた。

「なんなのお前ら…仲良い訳？」

「こんな人と仲良くなくていいです」

「いや…でも、タカには合うかも…キレてるタカに平然と言い返す子初めて見た」

「はぁ？！俺、別にキレてないし…つか、ちょっと外行く！だから、お前も来い！」

「なんでよ？意味わかんない！」

そう抗議したけど、手首を掴まれて…あたしはそのまま連れ出された。