鈍恋diary

「ちょっと待ってろ」

って、貴史君はどっか行っちゃうし…

もしかして、ムカついて他の場所でストレス発散とかだったりしないよね?

次、龍樹さんならストライク出すだろうし…

そしたら、こっちが不利になるのはわかりきってるもん。

「史華ちゃん、マジすげぇな」

「このタイミングでスプリットとかホントに…自分でも呆れてます」

「違う違う!タカがここまでヤル気出すのってあんまないから…史華ちゃんパワーすげぇって意味」

ヤル気?諦めたとか、ご立腹なわけじゃなくて??

「何それ…タカがガチでやってるって意味?」

「ガチの時しかやらないから、ガチでやってるって。親父とメチャクチャな賭けした時しかやってるの見たことない」

それとどっか行ったの関係あるってことなのかな…

なんて思ってたら、貴史君が戻って来た。

でも、ボールを持ってるのは左手で…

「え…タカ、お前左で投げる気?!」

「確実に取らないとだから、左でやる」

何、右向くか左向くかみたいに平然と答えてんの?!

右で投げるのと左で投げるのじゃ違うし…

理論的に左で投げたら取れそうでも、実際投げても思い通りになるわけないじゃん!
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