鈍恋diary
「タカ取れると思う?」
「タカだからな…取るっていったら取るな」
「史華ちゃんは?」
「えっと…貴史君がいろいろ詳しくて上手なのはわかりますけど、考えるのとやるのは違うし。いくらなんでも無理があると思います」
龍樹さんに聞かれて、貴史君に聞こえてしまわないように、小声で答える。
聞かれたら、俺をなんだと思ってんだ…とか言いそうだし、機嫌損ねそうだもん。
「タカ〜、史華ちゃんが取れない方に賭けるって!」
「史華…お前なぁ。味方なんだから、それはないだろ?!」
「ごめん、でも…」
龍樹さんが余計なこと言うから、結局怒らせちゃった。
「もし取れたらなんでも言うこと聞いてくれるってよ!」
「あたしそんなこと言ってません!」
龍樹さん、絶対おもしろがってる…
あたしまで巻き込まないでほしいよ。
「じゃあ、取ったら龍樹に近付くなよ?」
何それ…
「タカの方が一枚上手だったね」
「まぁ、いいよ…あんなタカ見んの初めてだし。
今のうちに史華ちゃんにくっ付いとくから」
「ふぎゃ!」
龍樹さんの嬉しそうな笑顔に騙された!
ケンカしてても弟思いなんだ…なんて油断してたから、変な声出ちゃったし。
抱き着かれたって言うより、拘束されてる気分…
腕までホールドされて、身動き取れない。