鈍恋diary
「龍樹さん、苦しいです…離して…」
抗議しようとしたけど、龍樹さんの肩越しに見えた貴史君のフォームはやっぱり綺麗で…
また見惚れてた。
真っ直ぐに転がるボールは、ピンの少し手前で曲がって…
まるでピンに吸い寄せられてるみたいに、残ってた2本のピンに当たってた。
「すごい…」
「あ、史華ちゃんに目隠しした方がよかったかも!今、タカに見惚れてただろ?」
「え…あの、ちょっと見惚れてました」
なんで龍樹さん見てなかったのに、バレたのか…
急に顔覗き込んでくるから、距離が近過ぎて恥ずかしい。
それ以上に、うっかり貴史君に見惚れてたとか言っちゃったのが恥ずかしすぎる!
「龍樹の番!さっさと外して来いよ」
「外すかよ…お前、ホントプレッシャーとか感じないだろ?可愛くねぇぞ?」
「お前に可愛いとか思われてもキモい!」
顰めっ面の龍樹さんと、冷めた視線向けてる貴史君…
なんかケンカしてるとこばかり見るけど、仲悪いんじゃなくて、仲良いんだなって思った。