鈍恋diary
「史華、忘れてただろ?…龍樹も!」
「それは免除じゃないの?」
「龍樹は変態だから、危ねぇんだよ」
変人の次は変態呼ばわりとか…
なんか龍樹さんが気の毒に思える。
「あ〜、はいはい。変態でも変人でもいいから、お前らさっさとデートの続きして来い」
「支払いまだだけど、龍樹奢ってくれんの?」
「邪魔したから、今日だけな」
「邪魔だなんて…ホントに楽しかったですし、ちゃんと支払いします」
貴史君と二人だったら、また言い争いみたいになってたかもしれないし…
龍樹さんたちのおかげで仲良くなれた気もするし…
「史華ちゃん律儀そうだからな…ホント今日だけだから、気にしないで。気になるなら、ありがと、お兄ちゃん大好き…って言ってくれたらそれでいいや」
奢ってもらうのは気になるけど、それ言うのもなぁ…
「ありがと、お兄ちゃん大好きー。
ほら、史華行くぞ」
貴史君はあたしの手を引いて歩き出した。
「タカに言われてもキモいだけだ!」
「あの…すみません。えっと…ありがと、お兄ちゃん大好」
「バカ正直に言わなくていい!」
申し訳ないから、それくらいしなきゃと思って言ったのに…
途中で貴史君に口を塞がれた。
丁度止まってたエレベーターに乗り込んで、やっと口を塞いでた手をどけてくれた。