鈍恋diary

「怒らせてるの誰だと思ってんの?」

「貴史君!」

「人のせいにすんな…お前だろ」

あたしを挟んでケンカはやめてほしいけど…

「俺だけじゃない。貴史君も」

「航希が君付けで呼ぶの珍しくない?」

「だってこの人空手強いって言うし…怒らせて殴られんのヤダ」

違和感ある呼び方が気になって聞けば、理由がそれって。

航希に他人を敬う気持ちなんて、やっぱないか…

「別に殴らねぇよ」

「じゃあ史華みたいに蹴りかよ?」

「蹴ってほしいなら蹴ってやるけど?」

「いい…俺、そんな趣味ねぇもん」

「残念、骨へし折ってやったのに…」

話してる内容は微妙だけど、この二人って結構普通に会話できるんだ?

「それ、結構本気で言ってる?」

「いや…冗談だけど?」

「貴史君が言うと冗談に聞こえねぇからコワイ」

あたしもそれ思うけど…

あんた達が普通に話してるのも、コワイよ。

なんか航希が素直だし…

貴史君も意外と楽しんでる感じだし…
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