鈍恋diary
「俺、本屋行くっつっただろ」
「あぁ、エロ本探しだっけ?」
「違うっての」
なんかお兄ちゃんに構ってほしくてちょっかいだす弟と、仕方なく相手してるお兄ちゃん…みたいな雰囲気。
「史華さん…何したんですか?」
「何って?」
「あの二人仲良くなってるから…史華さんがなんかしたのかと」
不思議そうに二人を見ながら、隆平君がコソコソ話す。
「何もしてないけど…仲良くなってるからいいんじゃない?」
「この間はいきなりケンカだったのに…航希ってわけわかんねぇ」
「航希だからそんなもんなんだと思うよ?アイツ、誰とでもすぐ仲良くなるし…貴史君も例外じゃなかったってことでしょ」
「それならいいですけどね…航希だからなんか企んでるかもって思える」
それは…ないとは言えないかもだけど、貴史君相手じゃ見透かされるんじゃないかな?
「史華、なんでいっつも隆平とコソコソ話すんだよ!」
「え…いや別にコソコソしてないけど?」
航希に聞かれちゃマズイからだけど、さすがにそれは言えない。
思いきり不機嫌な顔してるのにそんなこと言ったら…
間違いなく隆平君に八つ当たりするだろうし。